【愛知県総合教育センター情報】第61回 愛知県総合教育センター研究発表会

愛知県総合教育センターでは、昨年11月26日(金)に、第61回愛知県総合教育センター研究発表会を開催した。

テーマを「資質・能力の育成を目指した学びの在り方」とし、京都大学大学院教授の西岡加名恵氏から「『資質・能力』を育成する評価の在り方―パフォーマンス評価をどう活用するか―」と題して講演があった。

西岡氏からは冒頭、学力評価は、子供の能力一般を測るものだとか、成績付けだけのことだという理解がある。しかし、実は能力ではなく、目標設定した部分を評価するということや、教育という営みがうまくいっているかどうかを点検し、改善していくのも重要な機能であるとの話から始まった。以下に、講演の内容を紹介する。

新しい時代に必要となる資質能力の育成とパフォーマンス評価

今回の学習指導要領改訂で打ち出された資質・能力は、「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」という 三つの柱で捉えられ、バランスの取れた学習評価を行っていくためにさまざまな活動に取り組ませるパフォーマンス評価などを取り入れることが推奨されている。

パフォーマンス評価とは、児童生徒が身に付けた知識やスキルを使いこなす(活用・応用・総合する)ことを求めるような評価方法の総称であり、自由記述式の問題や実技テスト、さらに複雑なものでは、パフォーマンス課題の評価が該当する。

パフォーマンス課題と逆向き設計論

パフォーマンス課題とは、さまざまな知識やスキルを総合して使いこなすことを求める課題である。具体的には、レポートや展示物などの作品や、プレゼンテーションや実験の計画・実施・報告といった活動を評価する課題である。

パフォーマンス課題の開発に当たっては、逆向き設計論に基づくとよい。逆向き設計論のポイントは二つある。一つ目は、指導の前に評価方法を明確にし、計画すること、二つ目は、学期末や年度末など最終到達点を想定し、そこからさかのぼって今何をすべきかを考え、計画することである。

パフォーマンス課題のつくり方

パフォーマンス課題づくりの手順として次の五つが挙げられた。(1)適切な単元を選ぶということ。全ての単元で用いる必要はない。(2)単元の中核に位置する重点目標に見当をつけつつ、取り組む課題のイメージをもつ。(3)探究が触発されたり、個々の知識やスキルが統合されたり、学習の意義が見えるような「本質的な問い」を明確にする。(4)その問いに対してどのようなレベルの答えに達してほしいか(永続的理解)を明文化する。(5)パフォーマンス課題について児童生徒がより力を発揮することができるようなシナリオを作る。

ルーブリックづくりから指導の改善へ

パフォーマンス評価を行う場合、○×では採点できない。そこで、ルーブリックと言われる評価基準表を作る必要がある。例えば、生徒作品を集め、校内の教員で5段階評価をし合い、評価を擦り合わせる取り組みが有効である。

各教科における包括的な「本質的な問い」を意識しながら単元ごとの「本質的な問い」を位置付ける。そして、それらに対応するパフォーマンス課題を児童生徒に提供し、その都度ルーブリックを作って指導と評価の改善をしていくことで、よりよい成長につながる。

学力評価計画の立て方

年間を見通して、それぞれの評価項目の観点をどういう評価方法で評価するか、その評価方法をどの単元で用いるかを明確にすることが大切である。そして、伸ばしていった学力の到達レベルで総括的評価ができるように計画を立てていくとよい。

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