研究について
今年度、本校は「キャリアスクールプロジェクト」の委嘱を受け、研究に取り組んでいる。よりよい自分や夢を目指して、自ら学び、粘り強く自分を高めようとする児童、お互いを認め合う思いやりの心にあふれた児童の育成を目指し、キャリア教育の視点で教育活動を整理し、様々な実践を試みている。

実践の内容
○人間関係形成能力の育成を意識して
より円滑で好ましい人間関係を構築できるように、「アサーション」「ソーシャルスキル」「アンガーマネジメント」などの心のトレーニングを低中高学年それぞれで児童の実態を踏まえた上で定期的に実施している。
また、児童間の意見交流を通して学級への所属感や自己存在感を高めることを狙いとした「クラス会議」を各学級で行っている。
それらに加え、「わくわくタイム(縦割り活動)」での異学年交流も充実させている。活動を通して、学年を超えた相互への思いやりや、上級生への憧れ、リーダーとして自覚や自己有用感を高めている。
○授業づくりの工夫
年度当初に教室環境と学習ルールの基本事項である「六輪スタンダード」を全職員で見直し、継続的な落ち着いた学習環境づくりに努めている。「分かる」「楽しい」授業づくりに向け、今年度は、「学習への興味・関心付け」「基礎基本の理解と定着」「協働的な学び合い」の場でICTを効果的に活用し、児童が主体的に学びに向かえるよう授業研究を進めている。
また、4つの基礎的・汎用的能力を意識した授業づくりに取り組み、それらをキャリアパスポートに計画的に記録・蓄積している。
○家庭・地域との連携を通して
企業で社員育成を担当している方を講師に招き、コミュニケーションの在り方について実習を交えた講演をしていただいた。相手を笑顔にする話の仕方、聴き方、姿勢などを教えていただくと、児童の表情や姿勢がみるみるうちに変わっていく様子が見られた。
4年生では、さまざまな業種の地域や保護者の方に講師をお願いし、「働くことを学ぶ会」を開催した。仕事の内容や苦労とともに、学校生活から自分の夢探しのヒントを見つけることや、自分の故郷を大切にすることなどを教えていただいた。
低学年の校外地域学習の際には、保護者ボランティアとして一緒に引率をお願いするなど、児童や学校の様子を見ていただきながら家庭と連携する機会を設けている。
5・6年生は、地域の体育祭や近隣病院へのマーチング訪問演奏を行い、地域とのふれあいを通して故郷を愛する児童の育成を図っている。
おわりに
キャリア教育推進のキーワードは「つながり感」と考える。「教育活動全体のつながり」と、「子どもたち・職員・家庭・地域・小中学校間などの人のつながり」を意識し、創意工夫して魅力ある教育活動を今後も継続し、将来をたくましく生きる児童の育成を目指していきたい。
(文責・兼子淳敏校長、執筆・三村大吾教務主任)
本校/℡0567(46)0528、Eメール