【私を支えた「この一冊」(19)】上杉鷹山の師 細井平洲

 「たとえどんなよい内容であっても、表現が難しければ一般には理解できない。相手側の身に立って、どういう話し方をすれば理解できるかを工夫することが大切だ。それが人間に対する愛情なのだ」

 東海市への赴任が決まった時に先輩からこの本を勧められた。細井平洲先生は東海市の偉人であり、米沢藩の大改革を成功させた上杉鷹山公の師である。「恕の心―やさしさと思いやり」を最も大切にした人生観はもちろんのこと、指導理念にも心を打たれた。「人間が行動を起こす動機はなんといっても感動だ」ということも常に考えて講義をしていたという。

 平洲先生没後220年が過ぎた。社会情勢は大きく変わっていても、人として教師として忘れてはならないものを教えてくれた一冊である。

 (明壁啓純・東海市立名和中学校長)

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