ひと・もの・こととかかわって学び、考えを深める棚尾っ子の育成 棚小3つのTを手だてとして 碧南市立棚尾小学校

1.学校の概要

 本校は碧南市の南部に位置し、創立148年で歴史も古く、全校児童669人の学校である。地域にはさまざまな産業があり、人々も学校に大変協力的である。この恵まれた地域のひと・もの・ことを教材にし、「もっと知りたい、かかわりたい、伝えたい」を合言葉に、考えを深める棚尾っ子の育成を目標に、2019年度より研究を進めてきた。

課題に対して、「もっと知りたい、伝えたい」とかかわろうとする場面

2.目指す子ども像

 学ぶ意欲をもち、主体的に取り組むことができる子

 かかわりを通して、自分の考えを見直したり深めたりできる子

 学んだことを新たな学習や生活に生かすことができる子

3.研究の手だて

 目指す子ども像に近づけるために、以下の3つのTを研究の手だてとした。「Tステップ」子どもの願いを軸とした学びの過程(出会う―追究する―広げるの3段階)、「Tリング」思考の連続となる授業構想(問い・願い―かかわり―見直し・深まりの循環)、「Tポイント」授業での具体的な工夫。

4.6年生社会科の実践

 ①「出会う段階」

 原子爆弾投下の前後の広島の写真や映像を見せた。また、他教科において、戦争関連の新聞記事の切り抜き作品を作り、読書を行った。その後、子どもたちは話し合い、「どうして戦争が起きて、15年もの長い間続いたのだろう」という、単元を貫く課題を設定した。

 ②「追究する段階」

 課題を解決するためには、戦争を自分のこととして捉えることが大切であると考えた。そこで、地域の歴史研究者やお寺の住職から話を聞いたり、当時の道具や資料を常時展示したりして、当事者意識がもてる工夫をした。

 棚尾小学校が葬儀場になった事実を知ったり、防空頭巾などの実物に触れたりする中で、子どもたちは戦争を自分の問題として捉えるようになった。そこで、戦争に行った人や残された家族などについてどう思うかを根拠をもとに話し合ったり、各自の考えをグラフや考えの物差しで可視化して振り返ったりする場面(Tリング・Tポイント)を設定した。すると、さまざまな視点から戦争について意見を交換し、自分の考えを深めていった。

 また、個の学びを蓄積し、意見の深まりや変化を見るOPPシート(One Page Portfolio)を毎時間活用し、子ども自身が何を学んできたかを振り返ることで、戦争の原因を多面的、多角的に考えられるようになった。

 ③「広げる」段階

 これからも戦争のない平和な日本を守るために自分たちができることとして、「平和宣言」を一人ずつまとめ、お世話になった方々に手渡した。そこには、一人一人の平和を守ることに対する熱い思いがつづられていた。

5.成果と課題

 「棚小3つのT」を設定したことで、子どもたちが主体的に学習に取り組み、自分の考えを見直し、深められるようになってきた。コロナ禍で思いを十分に取り入れた活動が難しい場合もあるが、他者や地域とかかわりながら今後もさらに研究を進めていきたい。

(文責・杉浦かおり校長)

 本校/℡0566(41)0993

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