県立特別支援学校の分教室って… 「山嶺教室」「潮風教室」の現状

 県立豊橋特別支援学校は、2つの分教室を有している。設楽町の「山嶺(さんれい)教室」と田原市の「潮風教室」である。「分教室」とは、特別支援学校の本校外に設置された学びの場であり、遠距離通学の生徒が地元で学ぶ場として、県立高等学校の空き教室を活用して設置しているものである。分教室の現状について紹介する。

両分教室と豊橋特別支援学校のオンライン交流

 「第1期愛知県特別支援教育推進計画」第2章に、「特別支援学校の分教室を設置することによりノーマライゼーションの理念の実現を進めます」、また、「第2期愛知県特別支援教育推進計画(愛知・つながりプラン2023)」第3章に、「半島部や山間部等の交通不便な地域に分校・分教室を設置するなど、効率的に長時間通学の解消を図る方法を検討します」とある。それらを受けて県では、県立豊橋特別支援学校の分教室として、2014年に県立田口高校内に「山嶺教室」を、20年に県立福江高校内に「潮風教室」を設置した。

 特別支援学校分教室の特色として、①設置校の特色を生かした教育課程の編成や、地域と連携したきめ細かな就労支援②高校生と障害のある生徒との日常的な交流による障害の理解の促進、多様性を尊重する心の育成が挙げられる。

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「山嶺教室」

 「山嶺教室」は、北設楽郡地域における長時間通学解消を図るために、設楽町、東栄町、豊根村などに在住する、知的障害のある(自宅から公共交通機関又は徒歩などによる通学が可能な)生徒を対象として開設された。東三河山間部には特別支援学校がなく、生徒はそれまで2~3時間かけて豊川特別支援学校に通学していたが、「山嶺教室」の設置により、最大2時間ほどが短縮された。

両教室の窓清掃交流

 住み慣れた地域の特別支援学校に通うことによる自立と社会参加、地域の高校と特別支援学校の生徒相互による自然な交流によるノーマライゼーション理念の実現を目指している。

 ちなみに「山嶺教室」名称の由来は、北設楽郡歌より名付けられたものである。現在、1年生2人、2年生3人、3年生2人、計7人が通学している。

 主な年間行事の中には、「合同体育大会」「合同文化祭」など田口高校の生徒との交流も盛んに行われている。

「潮風教室」

 「潮風教室」は、渥美半島先端地域における長時間通学解消を図るために、県立福江高校内に設置された。旧渥美町、旧赤羽根町の中学校を卒業した知的障害を有する生徒のうち、自宅から公共交通機関または送迎などによる通学が可能な生徒が対象となる。これまで旧赤羽根・渥美両町の知的障害のある子供たちは、最寄りの豊橋市立くすのき特別支援学校へ通う場合、スクールバスを利用しても長時間かかった。県立豊川特別支援学校には公共交通機関を乗り継いで、片道2時間以上を要していた。「潮風教室」ができたことで、最大1時間半の短縮になった。

 設置目的は、「山嶺教室」と同様、住み慣れた地域での自立と社会参加を目指すとともに、高校と特別支援学校相互の自然な交流による共生社会の実現に向けた取り組みを推進することにある。

 「潮風教室」名称の由来は、郷土の田原凧を大空に舞い揚げる潮風のように、子供たちを成長させ、社会へ送り出す分教室になってほしいという願いが込められている。現在、1年生3人、2年生4人、3年生3人、計10人が通学している。

 主な年間行事の中には、「文化祭」など福江高校の生徒との交流や、「山嶺教室」との「野外活動」など交流活動も行われている。(現在コロナのため未実施)

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