共生社会の実現を目指す人材育成 知多郡武豊町立富貴小学校

推進校としての役割
考えを伝え、広げたり深めたりする姿

 本校は、2020・21年度において、愛知県オリパラ教育推進校を務めた。推進校としての役割を『広げる』『する』『続ける』と考えた。校内での取り組みはもちろん、推進校2年目は、『広げる』ことに重点を置き、町内各校体育主任を対象としたZoom研修を2度実施した。講師には、東京パラ大会副団長を務めたマセソン美季さんを招聘し、障がい者スポーツへの関心や障がい者理解を高める一助となることを目指した。今回は、本校での取り組みを中心に紹介する。

実践のねらい

 (1)人々が障がいの有無に関係なく、一人一人が生き生きと輝き、力強く生き抜くことのできる共生社会づくりの実現に貢献できる人材育成を目指す。
 (2)障がい者スポーツを体験することで、スポーツに対する興味関心を高めるとともに、障がい者理解の推進に努めるとした。

取り組み(1)(道徳科)

 授業のねらいを、(1)障がいがある人もない人も一緒にスポーツを楽しむことができるように、どのような工夫ができるかを考えることで、パラリンピックを象徴する価値のうち、「公平」について理解させる(2)「公平なルールづくり」について当事者意識をもたせて考えさせるとした。 

実践の工夫(切り返し発問)

 教材I’mPOSSIBLEを活用し、障がいのある児童と一緒に玉入れを楽しむための工夫を考え、意見交流した。ほとんどの意見が障がいのある児童への気配りであった。そこで、教師から「自分たちはそれで本当に楽しいの?」という切り返し発問をきっかけに、自分たちも我慢するばかりではなく、自分たちも楽しむためにはという視点での発言が多くみられるようになった。障がいのある児童に対して「〇〇してあげなければならない」という子どもたちの固定観念を崩す教師の発問が多様な意見の広がりにつながった。

取り組み(2)(体育)

 授業のねらいを、障がい者スポーツを体験することで、スポーツに対する興味関心を高めるとともに、障がい者理解の推進に努めるとした。

実践の工夫(本物体験)

 講師には、東京パラ大会パラバドミントン競技銅メダリストの伊藤則子氏を招聘した。子どもたちは、伊藤氏の生き方を目の前で聴き、不屈の精神を学ぶとともに、実技体験においては、一人一人が伊藤氏とラリーを行い、大変うれしそうであった。また、授業の最後には、銅メダルにも触れさせていただいた。選手・メダルなど、全て本物に触れる体験は、千載一遇のチャンスとなり、この体験が、後に行われた福祉実践教室にもつながりをもたせる有意義な活動となった。

成果と課題

 事前・事後アンケート結果から、実践のねらいがある程度達成できたことが明らかとなった。今後の課題としては、共生社会づくり問題は、答えのない社会問題の一つであると認識するとともに、その実現に向けてオリパラ教育を教育課程に位置付け、一人一人の多様な価値観を認め、尊重し、共生していくことのできる人材育成に学校全体で取り組んでいく必要があると考える。

 (文責・杉江桂校長、執筆者・久綱紀己教務主任)

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