明治図書
「話す」ことは自分のエネルギーを体外へ「放す」こと
インナートーク、マインドトーク
若い頃、先輩教師から「おまえの話には思いがない」と叱られたことを思い出す。「思い」というエネルギーを乗せた言葉だけが、子どもの心に響くのだと。
思いを込めて話すと、必ず「自分の話を聞いてほしい」という感情が湧き起こる。「先生の話を聴いているよ」というエネルギーを返してくれる子どもとの間に、気持ちと気持ちの「対話」が生まれてくる。子ども同士の対話が授業の中心となり、教師は自分の言葉を削ろうとする。しかし、時代の流れとは関係なく、目の前の子どもたちと気持ちで対話できる「話術のスキル」を若い教師たちに伝え、どんどん思いを語らせればよいのだと改めて強く感じた。そして、なぜだか少しうれしい気持ちになっている自分に気が付いた。
(梶田誠二・小牧市立三ツ渕小学校長)