(提言)多忙化解消について考える

犬山市教育委員会教育長 滝 誠

 今、全国各地の教育現場から悲鳴が聞こえてくるようです。「道徳の教科化」「小学校5・6年の『英語の教科化』そして『教科担任制の実施』」「GIGAスクール構想の推進」「プログラミング教育の導入」など、新たな教育課題が次から次へと矢継ぎ早に教育現場に降りかかってきています。

 確かに、目まぐるしく変化する現代社会に対応する教育が求められることは理解します。しかし、現行の満腹状態である学習指導要領の枠組みを変えないまま、これもやれあれもやれというのは、教育現場を困惑させるばかりでなく、教員の多忙化にいっそう拍車を掛けているように思えてなりません。

 教員の多忙化を解消するには、「人を増やす」「仕事を減らす」「業務の効率化を図る」この3つが不可欠です。

 「人を増やす」視点では、国は現在小学校1・2年で実施している35人学級を小学校3年まで広げると同時に、小学校5・6年の教科担任制を推進するために、教職員を4690人増やすことを来年度の予算に盛り込みました。しかし、実際の人数は差し引き2502人の減となります。この教職員数はまだまだ増やすことができる数字ではないかと思います。そして、中学校の35人学級を後回しにするのではなく、小学校と並行して一刻も早く実施すべきではないかと考えます。

 「仕事を減らす」視点からは、校長の学校経営に委ねる部分が大きく、学校行事を厳選、縮小もしくは廃止するなどの思い切った決断が必要です。国は教員免許更新制を来年度末に廃止する方針を示しました。遅きに失したという点は否めませんが、教員の肉体的・精神的負担を軽減するという点では評価できるものと考えます。

 「業務の効率化を図る」視点からは、教員一人一人の意識改革を図ることが求められます。例えば、毎日発行している学級通信を一日おきにするとか、ノート点検の際に子ども全員へのコメント書きを半数にするなど、教員一人一人の工夫なくして働き方を変えることなどできるはずがありません。

 最後は国へ一言。かつてのゆとり教育の時代とはいかないにしても、学習指導要領の内容と各教科の学習時間を一割から二割ほど削減すること、このことが教員の多忙化を解消する最も効果的な手段だと私は考えていますが、どうお考えになられますか。

 

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