(読者の窓)ほめどころ

 毎朝校門で子どもを迎えることが代々続いているということで、私も毎朝校門に立つことにした。自分からあいさつができる子は思っていたより少なく、はじめのうちは、こちらから「おはようございます」と言うことが多くなった。また、朝会の話で、あいさつの大切さを子どもたちに直接伝えることもあった。このようなことを続けていると、自分から「おはようございます」と言える子が少しずつ増え、中には目を合わせたり、軽く会釈を加えたりする子も現れてきた。小さな成果であったが、できなかった子が目の前でできるようになっていくことにうれしさを感じた。

 2学期の中頃、何の気なしに6年生のあいさつを校門の前で褒めた。「君のあいさつは素晴らしい。気持ちがこもって見えるよ」と。このことはすぐに担任にも伝えた。特に何かを期待していたわけではない。「多くの目で子どもたちを見守ろう」と常日頃職員に言っているため、目についた子どもの行動は担任に伝えることが習慣になっていただけである。

 そして翌日。6年生のあいさつが明らかに変わった。いつもより大きな声であいさつする子、遠くからあいさつする子、深々と頭を下げながらあいさつする子。前日何をしたのか担任に聞くと、「先生に褒められた子を、みんなの前で紹介しただけです」と教えてくれた。彼女の素晴らしい学級経営が背景にあるのはもちろんのことだが、シンプルでタイムリーな担任の声掛けが、どれだけ子どもたちに響くのかを実感させられる出来事となった。

 (渥美謙一・田原市立田原南部小学校長)

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