一人も取り残さなない「個別最適な学び」を実現するチーム学習による授業の構築 岡崎市立大門小学校

必須! 個別最適な学び

 2021年6月に本校で実施した学校集団適応心理検査において、4人に1人が学習および生活に何らかの支援を必要としていることが分かった。こうした実態を踏まえても、個別の対応は必須であった。しかし、従来のように教師が1人で40人の子供を1人も取り残すことなく個別最適化された学びを実現するのには物理的に限界があった。さまざまな試行錯誤を経て、個別に最適化された学びを保障するためには、子供同士の学び合いの力を伸ばし、子供自身がありのままの自分を知り、自分を好きになって適切な一歩を踏み出せるようにすることが打開策になると考えるに至った。

手だて(1)誰一人取り残さない「個別最適な学び」を実現する〝チーム学習〟

 チームは4人1組を基本とする。心理検査の結果や交友関係を考慮し、心理的安全性を担保した構成員で成り立つチームを意識した。各チームの学力は等質とした。等質にするには、4人に1人の支援が必要な子供と、困り感の低い子供や、平均的な学力をもつ子供の混合チームを原則とした。また、以前は必要時に座席を変更するのが常であったが、このチーム学習の有効性が高まってから、常時4人チームの配置にした。図の通り配置はT字型にし、子供たちの協働的な学習を教師は単純な小円で机間指導できるようにし、「指導者」というよりも一人一人の状況を把握し、全員の課題解決を支える「ファシリテーター」を目指した。

座席と机間指導のイメージ

 この方法により、子供たちは自然に教え合い、タブレットやホワイトボードを中心に積極的なコミュニケーションを伴った協働学習を行い、課題解決に向かうことができるようになった。

手だて(2)学びを振り返り、自己調整を促す活動

 支援を必要とする子供の多くは自己肯定感が低く、客観的に自己を認知する力が弱かった。そのため、諦めが早く、継続して努力することが苦手な様子が見て取れた。学び続ける子供の育成には、自分を振り返り、自分の良さを知る過程が必要と感じた。

 そこで取り入れたのが、自分を客観視し調整できるようになる力を向上させるICT学習支援システムである。授業終末の振り返りの時間において「学びの天気」として、学習課題の達成状況や自分の課題への取り組み方を天気記号に例えて自己評価をした。また、自分なりの気付きや学びを文章記述した。学習に向かう自分自身の心理状態に向き合い、できるようになった自分を認識できた。この振り返りは全てスタディログとして記録され、教師は、全ての子供の記述を一時にして把握し、次の活動に生かした。

検証はこれから

 心理的安全性が保障されたチーム学習により、学ぶ楽しさを実感し、ICT学習支援システムを使って個別に振り返ることにより、学びの成長を自覚した子供が増えた。しかし、現状では、手だての検証には至っていない。22年10月19日に岡崎市教育委員会委嘱の研究発表会を開催する予定である。どうかご覧いただきご批正を仰げればと思う。

(文責・石原真吾校長)

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