管理職研修「審査論文をどう書くか」(106)

テーマ

 団塊世代の退職により、30代未満の若手教員が増加している。そんな中で、組織的・機動的で、安定した学校経営を進めるためには、学校の中核となって活動するミドルリーダーの育成が急務となっています。あなたは、校長のリーダーシップの下、どのように取り組みますか。具体的に述べなさい。


【テーマの分析・解説】

 教員の大量退職・採用などの影響により、学校における年齢構成や経験年数の不均衡が生じている。特に愛知県は、全国と比べてもその傾向が顕著に現れているのが特徴である。これにより、以前のように授業や生徒指導などの教育技術や、経験知を次世代へ伝えることが、より難しくなっており、ミドルリーダーの育成は喫緊の課題である。

 「あいちの教育ビジョン2025」の実現に向けて、3月に「愛知県教員育成指標」が改正された。本テーマであるミドルリーダーの育成には、この指標にある各項目内容を強く意識し目指していく必要がある。そして、学校の要である教頭が果たす役割は、特に重要であると考える。以下に、具体的な方策を示したい。

はじめに

 学校組織は、さまざまな年齢層の教職員が、それぞれの経験や知識、子供への思いを出し合い、相互に作用しながら健全な成長を果たしていくものと考える。しかし、現任校での30代未満の教職員は、半数を超えており、逆に40代の教職員は、極端に少ない上、学校運営機構においても複数のリーダーを兼ねており負担も大きい。若い教職員集団には、活気やエネルギーを感じる反面、指導力の未熟さや危機意識の低さが危惧され、子供たちに安全で安心な学校であり続けるには、安定感に欠ける面がある。学校の核となるミドルリーダーの育成が急務であることは、実感として強くある。

 そこで、ミドルリーダー育成のため教頭として校長の意をくみ、自らのマネジメント力を発揮して、以下の3点から積極的に関わっていきたい。

1.教職員一人一人を見取る

 教職員一人一人について、よく見取ることを大切にしたい。授業はもちろん職員室などでの様子にも注視する。そして、見取った情報などから経験やキャリアに応じて、ミドルリーダーとなるべく、さらに資質・能力を伸ばしていく自覚や意識改革を促していく。

 そのための方策としては、まず、学校運営機構をチームとして活動できるように組織する。次に適材適所の配置に心掛けるとともに、部会内での役割分担や活動における評価の明確化を図る。また、時程内に会議を開催できるよう配慮していく。そして、職務上の悩みを相談できるよう普段からなるべく声を掛け、若手教員が話し掛けてきたらきちんと向き合って対応するなど、いつでも話し掛けていい雰囲気づくりを心掛けていくことが必要であると考える。

2.OJTの積極的な推進と運用

 OJTを大切にした働き掛けに力点を置きたい。OJTは、現実に実施している職務に即した研修であり、状況が多様で複雑な判断を要する内容が多い教育現場においても、有効な研修と捉えている。また、指導法の伝承や高め合いにおいても、その効果は大きい。

 さらに、現職教育においては、マネジメント力の向上を目的とした研修として、ファシリテーター研修を実施したい。この研修により、物事を進めていくときに進行を円滑にし、目的を達成できるよう働き掛ける力の向上が期待できる。そして、検討や研修の場では、実際に起こり得る事例を取り上げ、有益な内容と課題となること、今後挑戦することを分けて話し合いをさせる。これらの実践を重ねていくことで、OJTとマネジメント力の向上の相乗効果により、ミドルリーダーの育成を効果的に進めていけると考える。

3.教職員評価制度、学校評価制度の活用

 校長の学校運営方針や年度ごとの重点努力目標を、教職員評価制度のそれぞれの目標に反映できるようにしていく。教職員評価シートへの記入時に、「愛知県教員育成指標」にあるミドルリーダーとしてあるべき姿を意識させ、具体的な手だてについて、提案型の指導を個々にしていきたい。

 また、学校評価への関わりをもたせていくことにする。具体的には、学校運営協議会を通して委員として、若手教員を話し合いに参加させていく。学校評価の内容項目の検討や結果についての分析に直接参加することで、学校全体を見ていく視点や、総合的に判断できる資質を育成していくことができると考える。

おわりに

 以上の視点からバランスよく若手教員に働き掛け、ミドルリーダーの育成に全力で取り組んでいく。私は教頭として、校長のリーダーシップのもと、教職員が自信にあふれ、子供たちが「通いたい」、地域の方や保護者が「通わせたい」と考えられる学校とするため、教育活動にまい進していく所存である。

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