教師力・人間力―若き教師への伝言(55)謙虚さを大切にして 「守・破・離」

 教師の仕事は職人に通じます。指導技術、授業力は経験による技です。従って、よい師匠となる先輩や同僚と出会い、学ぶことが大切です。積極的に自校でも他校でも授業を参観することです。

 よく武道で言われる「守破離」〔守=指導案通りに授業を進めることができる(半人前)。児童生徒の意見を生かしながら授業を進めることができる(一人前)。破=自分の授業スタイルを確立し、授業を分析し改善・改良できる(1.5人前)。離=新たな知識(指導技術)を入れながら、深い学びにつなげることができる(創造者)。〕を意識し、若いうちは徹底的に「まねする、盗む」ことが必要です。

守「まねする、盗む」
  • 私は英語教師です。英語の授業では、「会話したくなる場面設定」が大切です。先輩のS教諭は30年前のICT機器であるOHPで、臨場感ある買い物場面などを設定していました。授業はTTで行い、導入はS先生、文法説明は私の分担でした。おかげで、とても勉強になりました。
  • 30年前は、部活動=生徒指導の時代でした。ソフトボール部の指導が初めてのO先輩と新任の私が顧問になりました。近隣の強豪校に合同練習をお願いし、生徒には姿勢を学ばせ、顧問としては、指導法の基礎を学びました。A高校、社会人のN電装にも合同練習をお願いしました。O先生は、正に「まねする、盗む」を目の前で見せてくれ、子どもたちのために、指導者としてあるべき姿を示してくれました。
破「使って自分のものにする」
  • 教科指導員(外国語活動)の3年間の経験は大変勉強になりました。若い先生方の積極的にチャレンジする授業を見せていただき、自分の経験から「こうしたら、もっとよくなる」とアドバイスをするために、かなり勉強(特に、文科省・直山木綿子氏)しましたし、これまでの(中学校英語)授業を振り返りました。
  • D先生が初任者研修(2006年度)で示された「授業で役立つ指導の技術と考え方48」は、自分の授業の振り返りに参考にさせていただきました。また、若手教員にも、現在の勤務校の先生方にも示し、授業の改善に生かすように伝えています。
離「生かす、活かす」
  • FMラジオ「ありがとう、先生」や、ひすいこたろう氏の本などから、子どもたちに伝えたい言葉、先生方に伝えたい言葉を集めてきました。その中から、学年主任の時、リーダーの在り方として、「有言実行タイプと不言実行タイプ、ともに大切」と語りました。成人式の集いに招かれたとき、「人生に大切なあいうえおは、愛運縁恩」と話しました。小学校の認証式では、「自分の役割を果たす『しごと名人』になろう。しごとをするときは、さっとやる、しっかりやる、みごとと言われるようにやる、「さ・し・み」を大切にしよう」と話しました。
  • 話をしようとするときに、「あいさつは心のキャッチボール」、「はきものをそろえると心がそろう」、「『思いやり算』+たすけあう、-ひきうける、×声をかける、÷わけあう、いたわる」など、よいものを選んで話せるようになりました。・古い本ですが、若い先生方に『兎の眼』(灰谷健次郎)、全ての先生方に『灯し続けることば』(大村はま)、管理職の先生に『聖職の碑』(新田次郞)をお薦めします。

 最後に、これまでの教員生活で、たくさんの方々にお世話になりました。その中で、教師に最も大切なことは、受け入れる「謙虚さ」だと感じています。どんな人も自分を成長させてくれるために出会ったのだと考えてください。

 Now is the best time to be happy.

 30代半ば英語の中央研修で外国人講師から聞いた言葉です。「今が幸せになる最良の瞬間なのです」

(小竹弘泰・大口町立大口西小学校長)

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