管理職研修「審査論文をどう書くか」(107)

テーマ

 コンピューターやインターネットが不可欠な社会が到来し、情報活用能力の育成を行う学習としてプログラミング教育を進めていく必要があります。あなたは教頭として、児童生徒へのプログラミング教育の実践にどのように取り組みますか。具体的に述べなさい。


【テーマの分析・解説】

 高度に情報化した社会を生きていく子供たちには、コンピューターを適切かつ効果的に活用できる力が必要とされる。プログラミング教育はそれに応えられるものとして注目されている。本論文では、小学校の教頭としてプログラミング教育をどのように推進していくかについて書き述べる。

 序論では、プログラミング教育推進における課題について述べる。本論では、教育課程におけるプログラミング教育の位置付けの明確化や教師の指導力向上、地域との連携について、教頭としてどのように教職員を指導し、支援するかを記す。結びでは、プログラミング教育の推進に尽力する教職員を支える教頭としての決意を表明したい。

はじめに

 現行の学習指導要領では、情報活用能力を育てるためにプログラミング教育を行うことが示されている。私の勤務校においても、各学年・学級において取り組みが進められているが、プログラミング教育に対する理解やプログラミングそのものの経験のなさから、実践に対して戸惑いを感じている教職員が多い。この現状に対し、校長の意をくみながら、小学校の教頭としてどのようにプログラミング教育を推進していくかについて述べたい。

1.教育課程における位置付けの明確化

 プログラミング教育における思考力・判断力・表現力はプログラミング的思考という言葉で表現される。これは、自分が意図する一連の活動を実現するために必要となる動きの組み合せや、それら一つ一つの動きに対応した記号の組み合せ、さらにはその組み合せの改善について論理的に考えていく力である。このプログラミング的思考の育成は、小学校においては各教科の学習の中で行われるものであることから、教科の目標を達成するための手だての一つとして捉えることができる。

 私はまず、教育課程におけるプログラミング教育の位置付けを明確化する。教務主任と連携し、プログラミング的思考を効果的に育みつつ、教育目標を達成できるようカリキュラムをマネジメントし、全校で共有する。

 カリキュラム作成と同時に、「プログラミングを学ぶのではなく、プログラミングで学ぶ」ということを、教務主任、研究主任を通して教職員に浸透させたい。プログラミング教育は教科の学びを確かなものにするための手段であり、プログラミングそのものが目的ではない。プログラミングを取り入れた学習活動を通してプログラミング的思考を育みつつ、教科の目標を達成できる授業づくりを徹底したい。

2.教師の指導力向上

 プログラミング教育を推進する上で、教職員の指導力向上は欠かせない。特にプログラミング的思考に関する理解はプログラミング教育の土台となるものである。教頭として、市教委などと連絡・調整を行い、プログラミング教育の専門知識をもった講師を招聘して研修を実施する。

 また、教務主任、研究主任、学習情報主任を中心とした研究部会を立ち上げ、指導事例や各種資料などの収集や校内の授業実践推進を行う。さらに、発達段階に合わせ、ICT機器を使ったプログラミング体験や、あえてそれらを使わないプログラミング活動を効果的に組み合わせ、児童の活動の幅を広げる。これにより、プログラミング的思考を養うことのできる多様な体験を保障する。

 加えて、情報モラルに関する指導を継続的に行う体制を作る。児童に対する情報モラル指導については、教務主任、学習情報主任、道徳科主任を中心に推進する。さらに教員自身の情報モラルについて、職員会議などで教頭が直接指導を行うことで、児童の手本となる姿を全ての教職員が示せるようにしたい。

3.地域・保護者との連携・協力

 児童の学びをさらに豊かなものにするためには、地域や保護者との連携・協力が欠かせない。学校評議員会や学校新聞などを通し、プログラミング教育への取り組みを地域へ積極的に発信する。さらに、学区諸団体に協力を要請し、ICT環境整備に係る作業支援や、教職員のスキルアップを図るための講習会の講師を依頼する。多様なスキルをもつ地域の人材を児童の学びにつなげ、多様な学びの場を保障したい。

 また、保護者に対しても、授業参観や個別懇談会などの機会を使って、学校の取り組みを積極的に公開し、理解と協力を得るようにしたい。

おわりに

 学校として、児童の力を伸ばすための方策を具体化し、推進することが重要である。プログラミング教育の推進に対し、私は教頭として全校体制で取り組めるようにする。また、研さんの機会を継続的に重ね、学校施策に生かしていく努力をしていく所存である。学校がなすべきことは多いが、それに前向きに取り組むことこそが、児童の健やかな成長、そして開かれた学校づくりにつながると信じ、全力を尽くしていきたい。

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