(提言)教職の魅力

愛知県教育委員会教職員課担当課長 大江 孝一

 愛知県教育委員会では、3年ぶりに教員採用試験説明会を県内3会場で行いました。説明会では、試行的に現職の教員に話をしてもらう時間を設けました。私が参加した会場では、若手教員2人が、教職を目指した動機や魅力、うれしかった瞬間や苦労したことなど、自分の言葉で熱く語る姿が印象的でした。

 教員を取り巻く環境が大きく変わる中で、「教職の魅力」という言葉をよく見聞きするようになりました。「魅力」とは、「人の心を引きつけ夢中にさせる力」です。私は、教師という仕事が人の心を引きつけ夢中にさせる要因は大きく2点あると考えます。

 1点目は、「人や社会に役立ち、取り組みが認められる」仕事であるということです。教師は、未来を創る子どもたちと関わる仕事です。すぐに成果が出るものではありませんが、関わった子どもや保護者、時には地域の方から感謝の言葉をいただきます。人には承認欲求があります。年齢や立場に関係なく、人から認められることで、自分の存在意義を感じることができる教職は、魅力ある仕事です。

 2点目は、「自律性があり、自分の成長を感じられる」仕事であるということです。教員の仕事に、マニュアルはありません。なぜなら、目の前の子ども一人一人は違うからです。授業では、子どもをとらえ、その子どもに応じた手立てを、自分なりの判断で講じていきます。また、子どもの発言を捉える力、発問、板書の仕方はもとより、間の取り方、抑揚といった話し方など、極めなければならない技術も多くあります。授業力は、一朝一夕に身に付くものではありませんが、実践を積み重ね、自分の取り組みを振り返ることで、できるようになったことを自覚し、さらなる高みを目指していくのです。自分らしさを発揮し、達成感を味わいながら、自分の成長を感じることができる教職は、魅力ある仕事です。

 こうした2点の要因は、愛知県教育委員会が作成した教員育成指標における「素養」である、「教育的愛情・使命感・責任感」「自己教育力・創造的思考力」「倫理性・人間性・行動力」につながるものです。教員一人一人が素養を高める努力を続けることで、「教職の魅力」の発信者となるのです。だからこそ、教員不足が問題となっている今、「育成」に力を入れていく必要があると考えています。

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