管理職研修「審査論文をどう書くか」(108)

テーマ

 校長の学校経営方針を踏まえた教育活動を充実させるためには、教員一人一人が意欲的に取り組むことのできる職場づくりが重要です。しかし、多忙化が一層進み、教員が本来の業務である教育指導に専念しにくい現状にあります。あなたは教頭として、「学校における働き方改革」などの動向を見据えながら、教員が意欲的に教育活動に取り組む職場環境をどのように整えていきますか。


【テーマの分析・解説】

 教職員が意識を高め、「チーム学校」として一致団結している学校は笑顔にあふれているだろう。教職員に自己肯定感からくる笑顔があれば、それが必ず伝播し、子どもにも笑顔があふれ、保護者や地域からの信望も厚いものとなり、さらなる期待が寄せられるであろう。

 本テーマは、「学校における働き方改革」の内容を踏まえつつ、教育活動に専念できる職場づくりについて述べることを求めている。

 そこで、「職員室の担任」と言われる教頭として、教職員一人一人をよく見て、それぞれの能力を十分に発揮させ、「チーム学校」として組織的に機能させるための具体策を述べたい。

はじめに

 現行の学習指導要領では、情報活用能力を育てるためにプログラミング教育を行うことが示されている。私の勤務校においても、各学年・学級において取り組みが進められているが、プログラミング教育に対する理解やプログラミングそのものの経験のなさから、実践に対して戸惑いを感じている教職員が多い。この現状に対し、校長の意をくみながら、小学校の教頭としてどのようにプログラミング教育を推進していくかについて述べたい。

 学習指導要領の改訂による授業改善と評価の在り方、GIGAスクール構想の早期の実現、感染症対策による新しい学校生活様式などにより、教育を取り巻く環境は複雑化・困難化している。

 そのような環境下にあっても、意欲的に取り組むことのできる職場づくりを推進していく。ICT活用や意識改革により多忙感の軽減に努めながら、「つながり」を意識した職員室経営を行う。声掛けや褒め合いなどで、教職員同士に強固な「つながり」を感じることができれば、連帯感が増し、自信をもつことができると考える。それらが意欲へとつながっていく。意欲をもった教職員の「あふれる笑顔」を目指し、次の2点について取り組んでいく。

1.教職員個々の資質向上を図り、さらに教職員同士の絆を深める

 日ごろから教職員をよく見ることを心掛けるようにする。「おはようございます」と言い、職員室に入ってくる教職員の顔を必ず見てあいさつを返すようにする。その瞬間で、何かをつかめることもある。感じたことがあれば、そのままにせず、すぐに話をする。こうした日々のつながりを特に大切にしていく。明るく風通しのよい職員室経営に心を尽くし、前向きなコミュニケーションが活発となるようにする。職員の特性を知るチャンスも増える。

 そして、日ごろの的確な生活指導を基盤とし、丁寧な教材研究の上に成り立つ授業づくりを推進していく。そのために必要な教職員一人一人の資質の向上に積極的に取り組んでいく。

 まず、教務主任や研究主任に指示を出し、指導計画の具現化や現職研修の充実を図り、授業力の向上に努める。また、生徒指導部に指示を出し、積極的な生徒指導を図り、子どもたちが落ち着いた学校生活を送ることができるようにする。

 現任校では、縦や横のつながりを意識したOJTを推進することで、若手はベテランから多くを学び、ベテランは若手から刺激を受け、個々の資質向上と教職員同士の絆の醸成を同時に達成できていると感じる。

 落ち着いた教室で、よりよい授業が展開されれば、子どもたちの「分かった、できた」が増えていく。それが子どもたちの笑顔へとつながっていく。そして、家に帰った子どもたちから話を聞いたり、表情を見たりした保護者も笑顔になる。子どもや保護者の笑顔は教職員にとってさらなる励みとなる。

2.業務の効率化と意識改革を図る

 学校行事について「例年通り」ではなく、子どもたちの実態と取り巻く環境を見極め、精選を図り、全教職員が共通の認識のもと、教育活動を進めるようにする。

 まず、ICTを活用し、業務の効率化を図るという点である。いつ、どこでも、誰でも使えるような機器やアプリケーションを準備し、校内で研修を行い、全教職員が効率的に使用できることを目指す。プリント作成や採点などに活用することで、印刷や集計などに要していた時間を削減することも可能である。

 次に、業務内容に係る教職員の意識改革という点である。前述した大きな教育改革への対応だけでなく、日常のトラブルへの対応などにも時間や心が奪われ、教職員が疲弊していくのではないかと危惧される毎日である。

 そこで多岐にわたる業務の分別をし、任せられることは任すという考えをもたせていきたい。この意識改革も校内だけでなく、保護者や地域にも通信やホームページなどを用いて発信し、理解を得られるよう努め、教職員が自信をもって取捨選択できるようにしたい。

おわりに

 子どもたちの笑顔があふれている学校。その背景には教職員のたゆまぬ努力とあふれる笑顔がある。

 教頭として、校長の指導を仰ぎながら、教師一人一人が意欲的に教育活動に取り組むことができるよう、教職員をしっかり支え、守り、常に笑顔でいられるよう、全力を尽くす所存である。

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