(読者の窓)善意のバトン

 4月中旬のある日、熱中症が心配されるほどの暑さでした。その日の下校後、間もなく、2年生の生徒が「近くの公園で1年生が体調を崩しました」と学校に駆け込んできました。それを聞いた職員が、すぐに現地に向かい、適切に対応し大事には到らずにすみました。

 後日、関わった生徒に詳しく話を聞いたところ、次のようなエピソードがあることが分かりました。

 まず、当事者の1年生は、下校途中の公園付近で気分が悪くなりました。一緒にいた生徒の中には、肩を組んで公園の木陰まで付き添ってくれた人、自分のハンカチやタオルを水でぬらし顔を冷やしてくれた人、持っていたビニール袋を差し出してくれた人、自宅から保冷剤を持ってきてくれた人などがいました。さらに、「学校の先生に知らせてくる」と自ら判断して、すぐに中学校に向けて引き返してきた生徒たちもいました。一日の疲れと急な暑さに体も慣れず、ふらふらになりながら、一生懸命に走って学校に向かって引き返していました。

 そんな時、帰宅途中の別の2年生が、ふらふらになりながら学校に引き返してくる生徒と道端で出会いました。そこで、事情を聞いたその2年生が、学校に引き返して状況を伝えてくれたということでした。

 まさに「善意のバトンリレー」です。

 このように、自ら考え判断して行動することができる生徒が育つことを、今後も支援していきたいと思っています。

 (松橋弘治・名古屋市立左京山中学校長)

あなたへのお薦め

 
特集