犬の心はいつも純粋で正直。おいしい食べ物と、飼い主の愛情があれば幸せ。
羽田空港の貨物ターミナル。わたしが受け取りに来たのは、1匹の犬。大きな目が可愛い、ミニチュアダックスフント。「こんにちは、よく来たね」。家族の一員になったその子に、わたしは「レディ」と名づけた。
夢にも思っていなかった。まさか、この子の目が見えないなんて……。
犬がこんなにかわいいのは、飼い主の愛情に真っすぐに応えてくれるから。だからこそ、人は犬と誠実に向き合わなければならない。犬を飼ったら、眠くても、寒くても、疲れていても、散歩に連れていく。お世話をする。こうして愛情をもって接すれば、犬はきっと、私たちに最高の贈り物をくれる。
五輪メダリストの著者と、山本家で暮らす犬たちの物語。