バリバリ仕事をする30代は、常に改善・改革を目指し、時間も労力も惜しまずに仕事をする。ただ、自分なりの正義で走りすぎ、周りに迷惑をかけているときがある。
隣の学級担任が30代のよくできる教員だと、そうなれない20代が、保護者や児童から「うちの担任は頼りない」と思われる場合がある。30代は若いつもりでいるが、自分の下に10年にわたる世代がいるのを忘れてはいけない。
30代はこの若手たちに自分の手法を教え、自分の教育観を語って聞かせるところまでを含めて自分の役割だと心得たい。
このシリーズは30代のほか、20代、40代についても刊行されている。
著者は「子どもたちを育てる、高める」という視点では、最もその仕事が面白く感じられ、充実させられるのが30代だと考える。
子どもたちとの精神的距離もまだそれほど遠くなく、体力もあり、既に10年の経験を持ち、学級経営上、授業運営上のさまざまな課題も見える。次々に自分のアイデアを実現していけるし、失敗すれば先輩にフォローしてもらえる。それが30代。
教師生活40年のうち、前半の完成期にあたる。この時期までに、どれだけ視点・スキル・人間的魅力を貯蓄したかで、後半が決まる。
教師人生のターニングポイントを迎える今だからこそ、できることがある。これからの教師人生を充実させ、生き抜くために必要な24のポイントがここにある。