学校蔵の特別授業

尾畑留美子 著 日経BP社 1600円+税
尾畑留美子 著
日経BP社
1600円+税

「学校蔵」ってなんだろう?

新潟県佐渡島の旧真野町にあった西三川小学校。全国で進む少子化の中で平成22年、創立136年の長い歴史に幕を引いた。

しかし、その4年後、旧同町にある蔵元「真野鶴」の尾畑留美子さんらの手によって、閉校となった校舎が「酒蔵」としてよみがえった。酒造りの学び場、地域内外や老若男女が交流し学習する場、自然エネルギーを活用するエコの場にもなった。

特別授業では定期的に島内外の人々が集い、佐渡から日本の未来を考えるワークショップを開催。講師には、『里山資本主義』を著して有名な日本総合研究所の藻谷浩介主席研究員、経営者で人材育成家の酒井穣(株)BOLBOP代表取締役会長、経済学者で東京大学教授の玄田有史さんが参加。地方発の視点で今後の日本の在り方から教育まで、多様な意見を投げ掛ける。

藻谷さんは、日本の縮図佐渡で地域の良さを世界の視点で見つめられるよう「子どもたちの海外交流の機会を充実しよう」と指摘。酒井さんは、学校蔵が「肩書きではない『志』をもつ格好いい人々が集い語り合う場に」と願う。玄田さんは「子どもも大人も『感』『勘』『観』の3つのカンを育もう」などのメッセージを示す。

学校蔵では、集う人の幸せを醸す心を育みたいと「幸醸心」を掲げる。幅広い提言と学び合いから、日本の課題や教育を、真摯に、しなやかに考えていく契機となる。

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