おせんとおこま

 飯野和好 作 ブロンズ新社 1400円+税

飯野和好 作
ブロンズ新社
1400円+税

「ささちゃに、やきだんごはいかがですかー」。茶屋の娘おせんの声が明るく響く。ある朝、“山わたり”の娘おこまが竹細工を売りにきた。おこまのくれたピカピカ光るかんざしをおせんが髪に挿した瞬間、不思議なパワーがわいてきた。

おこまと一緒にチィーチィーチュルルルル。鳥や山の生きものたちと話したり歌ったり。2人は山の中で楽しいひとときを過ごす。おこまに、次の山にわたる日がやってきた。おせんはチィーヨーイ、チィーヨーイと山に向かって小鳥のようにうたった。

山わたりは、山から山へと歩き、生業を立てている人たち。2人の少女の素朴さとあどけなさが、温かみのある力強いタッチの絵本作家、飯野和好の世界に広がる。親友の絆と別れの物語。誰もが経験する子ども時代を思い起こさせる。

関連記事