教職課程のための憲法入門

西原博史・斎藤一久 編著 弘文堂 2200円+税
西原博史・斎藤一久 編著
弘文堂
2200円+税

教職課程の必修科目である日本国憲法を、校則や給食、いじめ、修学旅行、生徒会選挙など教育現場でよくある事例を交えて解説しながら、その基本を学習できる入門書である。教員採用試験や教員になった後にも役立つ。法律用語を平易な言葉遣いで言い換えているほか、巻末には用語集や日本国憲法の全文を掲載している。

第1章では「基本的人権」を扱っている。個人の権利は、誰に対して、どう尊重されるのか。校則をテーマに解説。

校則で「男子の髪型は3センチ以下の短髪とする」との項目あったとする。ある男子生徒は金銭がないので、髪を切れなかった。だが、校則違反だとして3週間の出席停止を命じられた。その男子は「校則と出席停止は憲法違反」と主張。教員としてどう対処するのかと投げ掛ける。

これには、憲法13条の幸福追求権を明示。これに対立する学説を示しながら、答えを導き出していく。加えて、熊本県で実際にあった丸刈を強制する校則の無効を訴えた判例などを基に、考え方を詳しく説明している。

このほか、「義務教育とは誰が何をしなければならないのか」をテーに、憲法26条3項で、普通教育を受けさせるのは親の義務としている考え方を歴史的な観点からかみくだく。また義務教育の無償化や教育を受ける権利と就学義務など、教員の常識として知らなければならない必須の知識を網羅している。