環境社会の変化と自然学校の役割

佐々木豊志 著 みくに出版 2000円+税
佐々木豊志 著
みくに出版
2000円+税

副題は「自然学校に期待される3つの基軸—くりこま高原自然学校での実践を踏まえて」。

著者は、私費を投じて平成8年に「くりこま高原自然学校」を設立し、「生きる力」を育む教育活動、ニートやひきこもりの支援などを行ってきた。自然学校を社会的企業として位置付け、「新たな役割の可能性を示す」ものとしている。

9章構成で、前半は、環境社会の変化や自然学校の調査、創設者の意識調査などから、自然学校の教育力、課題解決力、つなぐ役割を浮き彫りにし、自然学校の3基軸として位置付ける。

後半は、不登校・ひきこもりへの支援や、バイオマスエネルギーの活用、被災地の木材を活用した家具づくりなど、自然学校が地域コミュニティーの拠点として機能している事例を載せ、ビジネスモデルや事業経営を確立していくための課題や展望を提示している。

自然学校に関する研究書や実践書はまだ数が少ないので、その知見を得るのに有用だ。体験的な教育活動の展開、人と自然、人と人、人と社会を深くつなげる方途、社会や地域の課題を見つけ、その解決に向けて取り組む。これらを、自然学校の特徴として挙げており、普通の学校とリンクする役割は多いとする。

環境教育、体験学習、地域再生、社会教育、生涯教育などがキーワードで、学校の管理職や教員が読んでも、参考になるところは多いだろう。