円周率の謎を追う 江戸の天才数学者・関孝和の挑戦

鳴海 風 作 伊野孝行 画 くもん出版 1500円+税
鳴海 風 作
伊野孝行 画
くもん出版
1500円+税

武家に生まれ、儒学や剣術を学ぶのを強いられた「さむらいの子」は、数学に夢中だった。時間があれば吉田光由の算術書『塵劫記』を読んだ。問題を解けたときの楽しさに勝るものはない。もっと難しい本を勉強したい。一番の謎は「円」。本当の円周率とは——。

江戸時代の数学者・関孝和の発見や功績を、少年時代からの物語を通して描く。関は円周率の計算や筆算による代数計算の発明など数多くの偉業を残し、日本独自の発展を遂げた和算を世界レベルのものとした。

彼を支えた兄や師匠の娘との心温まるやり取り、ライバルとの対決が生き生きと描かれている。円の面積は公式を使って求められるが、その成り立ちを深く追究するのが少ない現在の学校教育で、理論を重視した関の姿勢は大変示唆に富む。児童が学ぶ算数に明るい光を照らす。