まよなかのせんろ

鎌田歩 作 アリス館 1400円+税
鎌田歩 作
アリス館
1400円+税

最終電車が過ぎ去ったあと、誰もいない真夜中の線路に明かりがついた。闇を照らす1台の大きな車両。「マルチプルタイタンパー」だ。

安全のため、線路のわずかな歪みやずれを直すこの特殊車両の活躍と、始発電車までの限られた時間に働く人々を描いた絵本。

レールの歪みを測り、挟んで持ち上げる。砕石を突き固めて整え、歪みが直ったか計測する。全てをこの1台が行う。

繊細で精巧に描かれた車体は非常に力強い。線路を直す一連の描写は、今にも作業音が聞こえてくるようだ。

線路を守る仕組みが整った車両と、誰も見ていない場所で責任感をもって働く作業員たちの姿。縁の下の力持ちの仕事ぶりに、思わず敬意を抱く。

夜の世界の出来事と、作業の進行とともに夜が明けていく臨場感にも、心躍る。