風はどこから吹いてくるんだろう? 雨の水は空の上にどうやってたまっているんだろう?——
そんな子供たちの身近な疑問から、猛暑や局地的大雨(いわゆるゲリラ豪雨)、ヒートアイランド現象、地球温暖化をはじめとする地球規模の現象、そして未来の気象までを視野に、分かりやすく解説していく。イラストや写真、図を多用し、文章だけではなく、目で楽しめるよう編集されている。
竜巻や空と宇宙の境目など、普段目にする機会のない写真があり、大人の興味も引く。
風や水の流れを観測する方法などを、写真を並べて変化の様子が分かるよう丁寧に取り上げている。割り箸やティッシュペーパーなど、家にあるものでできるので、読んですぐに試せる。例えば、「竜巻をつくってみよう」では、積乱雲や竜巻の発生について述べ、小さな竜巻のつくり方と写真を載せている。
理科の勉強や自由研究に役立つのはもちろん、子供の好奇心を高める情報が満載である。
全編カラーで構成されており、漢字には総ルビ付き。
気象学の研究者で、筑波大学計算科学研究センター准教授でもある筆者が、実際に研究室で行った実験や観測、シミュレーション研究を紹介しながら、それらの不思議を解き明かす。
この本との出会いで、毎日の天気予報や気象学について、今までよりも身近に感じられるようになるだろう。小学校高学年から。