小中一貫校をつくる 激動の時代を生き抜く子どもたちのために

初田幸隆 著 ミヤオビパブリッシング 1800円+税
初田幸隆 著
ミヤオビパブリッシング
1800円+税

小学校5校と中学校2校を統合した施設一体型小中一貫校「東山開睛館」の開校に携わり、その校長を5年間務め、現在は京都教育大学教授を務める著者が、小中一貫教育を語る。

学校づくりに取り組んできた過程を、準備段階から時系列で述べる。学校経営者として子供や教職員、保護者や地域の人々に何を伝えてきたのか、どのような学校をつくろうとしてきたのかが、つぶさに分かる。開校当初から校長退任まで、それぞれの段階での課題や、校長としての教員への言葉掛けなどを盛り込んだ。

学校だよりやPTA会報に実際に記載した内容や子供の感想文、行事の写真などを載せているので、教員や学校だけではなく、子供たちや保護者らの雰囲気も感じられる。職員会議などで、教職員の気持ちを高めるために伝えた内容についても触れた。

学校の1年間が感じられる内容なので、小中一貫校に関わる人だけではなく、さまざまな人がその様子を頭に浮かべながら読み進められる。

校長が変われば学校は変わるといわれる。見るべきは「これからの社会」「これからの地域」「そして子どもたちとそれを取り巻く現状」とする著者は、在任中、子供や保護者、教職員に何度も繰り返し学校づくりにかける思いを、誠意を持って伝えてきた。「教育は大いなる夢とロマンの創造であり、最も効率的な未来への投資である」と語る。