「道徳科」評価の考え方・進め方

「道徳科」評価の考え方・進め方 永田繁雄 編 教育開発研究所 1800円+税
永田繁雄 編
教育開発研究所
1800円+税

道徳授業の教科化に際し、「特別の教科 道徳科」(道徳科)の「評価」は、教員にとって一番悩ましい。点数によらず、通知表や指導要録に反映される評価をどのように行うのか、その考え方やアプローチが一様でないところも、不安を払拭できない要因といえよう。そこで、研究者や校長、教員ら32人が、この問題を、実践に則して論究する。

前半は「特別の教科」として誕生した道徳科の趣旨や評価の意義、評価のあり方などについて、Q&A方式で解説する。教科の性格上、回答者によって見解や視点はさまざまだが、共通しているのは、評価にはまず、学習活動内容に対する教える側の深い理解が必要という点だ。道徳科に求められる、子供たちが「考え、議論する」授業の趣旨について詳述している箇所は、授業構成を考える際の手がかりになる。

後半は、具体的な評価方法と共に、現職教員による評価の取り組み事例と、そこから得られた意義も示している。友情観の拡充を目的とした授業の事例では、本当の友情を築くために友達にどのような行動を取るべきか、子供たちで話し合い、伝え方を体験する一連の様子から活用したツール、その後の子供たちの様相の変化まで詳細に記載されていて興味深い。

持つべき視点や考え方を広く示しながら、学年に応じた通知表への記入文例など実践に役立つ内容も盛り込まれており、道徳科評価の指標を示唆している。