アドラー心理学を活かした学級づくり

会沢信彦 編著 学事出版 1200円+税
会沢信彦 編著
学事出版
1200円+税

アドラー心理学を生かした学級経営を、研究者1人と小学校教員6人が記す。

編者の会沢信彦教授はこの心理学の特徴を、▽目的論▽認知論▽対人関係論の3点から説明。目的論では「人間は過去の原因によってではなく、未来の目的に向かって行動しているのだ」と、考え方や教育への活用の視点を分かりやすく説く。クラス運営に向けては、この「人間の行動を理解する際、原因ではなくその目的に目を向ける姿勢を備えている」点に着目。その考え方による働き掛けや指導が、学校現場でどう役立ち生きるかを理論と実践で示していく。

理論編では、子供の不適切な行動への対応のセオリーとして「過度に注目せず、適切な行動を勇気づける」と指摘。これは黄金律といってよい対応の原則だとも述べる。その上で、子供たちに、他者や世界への関心、所属感、信頼感や安心感などの「共同体感覚」を育みたいと目標を掲げる。

実践編では、実際の指導体験を報告。教員による振り返りでは、クラスで注目し関心を寄せていたのは、指示をよく聞き、明るくて活発、運動や勉強で目立つ子が多かったのではと反省。同心理学によって、全ての子が存在を気に掛けられながら居場所を得る働き掛けを行う意義を学んだとする。

子供の「不適切な行動に過度に注目しない」「普段の当たり前の行動への着目」のポイントも取り上げ、決してあきらめずに関わり続ける大切さを訴える。