「考え、議論する道徳」の指導法と評価

西野真由美ほか 編 教育出版 2400円+税
西野真由美ほか 編
教育出版
2400円+税

読み物資料の読解による登場人物の心情理解から、多様な考え方や新たな視点などについて「考え、議論する道徳へ」。教科となった道徳科は、小学校で来年度から、中学校で再来年度から全面実施となる。小学校にとっては、今年度が移行期間の最終年度。移行期間で十分な準備が行われないと、全面実施はおぼつかない。中学校もまだ時間があると静観してはいられない。

その一方で、道徳科となっても、これまで培ってきた道徳教育の指導法の本質は、大きく変わらないとの立場もある。そこに、「道徳の授業は変わる」と、明確なメッセージを編者らは発する。

そうした変化を明らかにするために、これまでの定番教材を積極的に取り上げた。授業の流れや学習活動の様子、板書、子供たちの意見、ワークシートなどを示す。実践例が豊富なので、「考え、議論する」授業の姿がよく分かる。これが第1部。

また道徳科の評価については、価値観の押しつけや他者との比較になるのではないかなど、とかく誤解があるとして、第2部で詳解する。そうした誤解を解き、子供の変容をどう見取り、どのように記録に蓄積し、通知表や指導要録に記述していったらよいのかを示すのも、編者らの狙い。評価が変われば当然、授業も変わる。そこが重要。

個人的な授業研究だけでなく、全面実施に向けた校内研などでも役立つテキストとなろう。