「ならず者」が学校を変える 場を活かした学校づくりのすすめ

武井敦史 著 教育開発研究所 2200円+税
武井敦史 著
教育開発研究所
2200円+税

西部劇を連想するような刺激的なタイトルだ。しかし、この「ならず者」は、アウトローや荒くれ者の意味ではない。「思うようにならない者」であり、「自分の能力や人格に自信がなく、仕事が思うに任せない教師」を指す。

筆者はより詳細に、「自分の正しさを疑いながらも、他者や対象に働きかけようとする人。自分が子どもにとってのあるべき教育など分からないということを自覚しながら、それでも児童生徒や他の職員に働きかけて学校を変えようとする、自己の中に二重性を持つ(ことを自覚している)教師」と定義する。つまり、特別な存在ではない。

リーダーシップを持っていない教員が、どう学校を変えていくか。その研究成果と実践が書かれている。

独自のアイデアが面白い。「七輪の法則」「逆SWOT分析」など、学校という組織を改革・改善する理論とアプローチは、とてもユニークだ。

そして、「日本的組織」の学校を分析し、組織論やリーダーシップ論、マネジメント論を展開し、学校経営を捉え直す。

だが筆者は、「出る杭となる教師は生きづらい時代になった。試すことさえしにくくなっているのが今日の学校現場だ」と分析。その上で、「ささやかな反抗を試みる挑戦者のための亜流の改革論。ならず者教師がいればこそ、まっとうな教師も救われ、学校の風通しもよくなる」とエールを贈る。