日英ことわざ文化事典

山田雅重 著 丸善出版 3800円+税
山田雅重 著
丸善出版
3800円+税

「会うは別れの始め=The first breath is the beginning of death.」「人間万事塞翁が馬=Joy and sorrow are today and tomorrow.」「能ある鷹は爪を隠す=Cats hide their claws.」

日英で同様のことわざがある。でも、表現法や登場する物事、動物、ニュアンスなどは違う。これが文化の違い。だから、国際理解教育には格好の入り口となる。

四六判、338ページに、日英各300のことわざが解説されている。日本のことわざの直訳風も示されているので、英語表現の発想や文化の中で、それがどのように変わるのかも、よく分かる。

冒頭の「会うは……」は、英語になると、生き方そのものにぐさっと突き刺さる。人の最初の息は死の始まりとは、なかなか宗教的な世界観であり、英語なのに仏教的ですらある。まさに「生者必滅会者定離」である。「Joy and sorrow」は「today and tomorrow」と並行する。今日の喜びは明日の悲しみ。中国の故事、北方の塞に住んでいた占い上手の老人(塞翁)のもとから逃げた馬をめぐる物語よりも分かりやすい、直截な表現。「鷹」は英語では「猫たち」。でも隠すのは、やはり「爪」。登場する動物は違っても、落着点は一緒。

事典は2部構成。第1部は「日本語のことわざを英語で表現すると」。第2部はその逆。それぞれ、数、動物、色にまつわる表現と、その他の興味深い表現別にまとめられている。