
小峰書店
1500円+税
日が沈むころ、広い草はらのどこからともなく、バケツが1つ、水をたたえ、しずしずと歩いてくる。ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ。転んでしまい、バケツの水がこぼれて、大きな大きな水たまりができた。
この水たまりが、これまたふしぎ、不思議。
この水たまりには、次々と生きものが訪れる。水たまりがヤマネコに引っかかれてると「きゃっ」と悲鳴をあげ、象が水浴びにやってくると「このくらいのふかさでどう?」と深さを調節して、象も水たまりも楽しそう。狼がやってくるとえーんえーんと泣き出す。得意げに甘いにおいの花を咲かせ、ちょうちょを招く。
石ころや釣り人、長靴や雨雲から降ってくる魚たちも。なんでも受け入れ、楽しく過ごす。さてさて、不思議なバケツの水の正体は。最後のページにたねあかし。