教師の自己成長と教育カウンセリング

諸富祥彦 著 図書文化社 1600円+税
諸富祥彦 著
図書文化社
1600円+税

「三六五日、二十四時間教師であれ!」「うつは教師の勲章」――。教師を取り巻く昨今の諸問題を考えると、なかなか衝撃的なメッセージだ。しかし、教師に自分の生活や人生を捧げよと言っているわけでは決してない。リスクは覚悟の上で、使命感と情熱を持ち、本気で仕事に取り組む人間だけが、心の深部に充足感を得られる。そして教師は、そうした生きざまや、人間としての成長が問われる職業なのである。

著者はテレビ、ラジオなどメディアでも活躍する諸富祥彦明治大学教授。専門の一つである教育カウンセリングは、成長の支援・促進に焦点を置く。真剣に自分を見つめ、深く語り合うことで確固たる自己価値観が確立され、人生が大きく変わっていくという。

前半は、教育カウンセリングの手法や礎となる心理学をテーマに、カウンセリングの世界を分かりやすく解説する。後半は、教師としての生き方に焦点を当て、年代別に培っておきたい能力や果たすべき役割にも言及している。また、本気で生きることによって生じるリスクを軽減する、精神的につらくなったときの対処の仕方や、セルフコントロールの方法も提示する。

教師の仕事は過酷だ。しかし、子供たちの人生のモデルとなるこの職業は、「全身全霊をささげるに値する」ものでもある。

これまでの教師人生を振り返り、今後の生き方を考えるきっかけになろう。