気になる子もいっしょに 体育ではじめる学級づくり

阿部利彦ほか 編著 学研教育みらい 1800円+税
阿部利彦ほか 編著
学研教育みらい
1800円+税

スポーツは、時に言葉よりも雄弁にその人の人間性を表す。子供にとって体育の授業とは、人と人との関わり方を学ぶのに格好の機会といえるだろう。

しかし、身体能力の異なる子供たちが体を動かしながら直接関わる体育授業の中では、運動が得意な子供が苦手な子供にきつい言葉を浴びせたり、失敗を恐れてゲームに参加できない子がいたりと、さまざまな「つまずき」が発生する。こうしたつまずきを学びに変えて、共に成長していく糧とし、学級運営にも生かそうというのが狙いだ。

「自分の意見に固執して譲らない」「困っても助けを求められない」など、通常学級の体育でみられる「気になる子」を場面別に54例取り上げ、各編者の実例に基づいた指導例109案を応援プランとして挙げた。加えて、なぜそのようなつまずきが子供に起こるのかを解説する「つまずきの背景」や、解決に導くカギを簡潔にまとめた「解決のためのポイント」、事例を通じて育みたいスキルをアイコンで示した「育てたいソーシャルスキル」など、一目で内容が把握できるようになっていて、実践に役立てやすい。イラストもふんだんに用いられており、見やすさ、分かりやすさを考えた構成が好印象だ。

最終章ではソーシャルスキルトレーニングの基礎知識を解説。体育以外に応用できる要素もあり、子供のソーシャルスキル育成の入門編として参考になる。