もしかしてうちの子も? しのびよるネット中毒の危険と対策

山中千枝子・女子パウロ会 共著 900円+税
山中千枝子・女子パウロ会 共著
900円+税

ネットゲームに熱中する中2のユキは、祖母の優子に「なぜゲームをするの」と問われたことをきっかけに、ゲームとの向き合い方について考えるようになる。改めて周囲を見渡してみると、大学生の兄は毎日明け方までゲームに興じ、幼馴染みのコウはゲーム中毒で不登校に、コウの母はスマホを子守代わりに使っている。ユキは優子とともに、上手なネットとの付き合い方や依存から脱出する方法を探っていく――。

ストーリー仕立ての前半は、身近に潜むネットやゲーム中毒の脅威とその対策を教えてくれる。何事も過ぎたるはなお及ばざるがごとしではあるが、過度なネットゲームは麻薬と同じような影響を脳に与えると実証されているという。他国に比べ、日本はネット依存症対策が遅れていると、祖母・優子の言を借りて警鐘を鳴らす。

後半は、ネット中毒に陥った人々の相談も受けている「こうちねっと見守り会議」会長の山中千枝子氏が実際に見聞きした、ネットやゲームに生活を浸食されつつある人々の姿が切り取られている。睡眠時間を削ってゲームばかりしている中学生、食事の時間さえスマホの画面に見入っている親、仕事で不在の親とのコミュニケーションがライン中心の子供。どのケースからも、カラカラと音が鳴りそうな心の寂しさを感じる。子供をネット中毒にさせないために、自分自身もネットに依存しないために、私たちがまず何をすべきか考えさせられる。