あなたのまわりのデータの不思議

実教出版 景山三平 著 1200円+税
実教出版
景山三平 著
1200円+税

データを扱う科学。それが統計学だ。統計学は、データから規則性を探し出すための考え方や手法を提供し、収集した情報の中に新しい価値を見いだすことを可能にしてくれる。

不確かな状況で判断を求められた場合、判断基準の一つとして統計が役立つ。不確かな状況を少しでも確実なものに近づけるため、統計が用いられる。新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ネット……。私たちが情報源とする報道機関もまた、事実の信ぴょう性を高めるために統計データを使う。統計とは、不確実性の数理なのだ。

統計の内容は高校までに、算数や数学の中で教えられる。算数や数学は、一般的なことから特殊なものを導く「演繹えんえき的思考」で展開される。一方で統計は、特殊なことから一般的なものを導く「帰納的思考」で展開される。統計学の本質とは、帰納的推論のなかに演繹的思考の過程を導入することで、科学的な結論を導ける点にあるという。

難解に思える統計学的思考法。実は多くの人々が日常的に行っている。たとえば天気予報。降水確率を参考に雨具を持っていこうとする判断は、目的に沿った適切で有効な情報を選び取って利用した結果である。これはまさに統計的な考え方だ。

データの適切な見方を身に付け、統計を通して世界を見ると、きっと違って見えるはずだ。身の回りのデータに関心を持つ一助となるだろう。