主体的・対話的で深い学びにむかう情報モラルの授業

日本標準 今度珠美/稲垣俊介 著 1500円+税
日本標準
今度珠美/稲垣俊介 著
1500円+税

インターネットや携帯電話が生まれながらに身近な存在だったデジタルネーティブを前に、禁止事項や危険性ばかりを強調する情報モラルの授業は、子供の心に響かない。一方で、日々新たなサービスが登場し、技術革新が進むインターネットに対し、苦手意識を抱く教員も少なくない。

小学校低学年から高校まで、情報モラル教育の10の実践事例を収載。それぞれの「授業の展開」の中で、スライド例や発問例が示されているほか、ウェブサイトから資料もダウンロードできるので、苦手意識を持つ教員でも授業をイメージしやすい。

特徴的なのは、ワークシートに保護者の記入欄が設けられているなど、保護者との意識の共有が意図されている点だ。情報モラル教育では、家庭でのルールの有無や保護者自身の使い方が子供に影響する。子供が受けた授業を通じて、保護者も情報モラルについて考えてもらう仕掛けとして画期的だ。

著者は、子供がインターネットの仕組みや特性を理解した上で、適切に利用できるようになるのを重視する。答えを教え込むのではなく、主体的・対話的で深い学びを通して、自ら考え、行動する授業の実践が効果的だと強調。それが顕著な実践事例9「スマートフォンのポジティブな使い方」では、これまでの情報モラル教育の問題点が問い掛けからあぶり出され、ポジティブに捉えるメリットについて考えさせる。情報モラル教育のあるべき姿が垣間見れる。