教師力の再興―使命感と指導力を

梶田叡一 著 文溪堂 1800円+税
梶田叡一 著
文溪堂
1800円+税

世間の教員批判に対して、教員自身はどれほど自覚的で、自省的だろうか。

表紙にもあるように、著者は「どうして教師は『尊敬』されなくなったのか」と問い掛ける。その要因として、戦後の教育における、専門職としての教師像の崩壊と教員自身の使命感の放棄を指摘する。

使命感と職務遂行能力を、現在の教員が十分持ち合わせているかと疑問視し、「師道」の再興の必要性を説く。率直な印象として、その主張は多くの教員にとって、厳しい見方である。しかしそれは、大学での教員養成に長く関わり、中教審の委員なども務めた著者だからこその叱咤激励、すなわち期待の裏返しである。読み進めていけば、指摘の多くは、教員にとっての基本的な資質・能力であると気付く。

例えば、不易の資質・能力として教員に求められるものとして、著者は、(1)人間的社会的に成熟している(2)教育的関係を築くことができる(3)教科等の指導がきちんとできる(4)学級等を一つの集団として指導できる(5)教養ある知識人として常に学び続ける――の5点を掲げる。それぞれについて、さらに細かな観点が付くが、いずれも教員にとって必要不可欠の資質・能力であるのは言うまでもない。さらに、それらをより向上させていくために、「開・示・悟・入」の視点から、教育目標や日々の授業を捉え直すよう求めている。

教員の力とは何か、教員に今何が求められているのか、改めて見つめ直したい。