遊戯療法~様々な領域の事例から学ぶ

ミネルヴァ書房 伊藤良子 編著 2600円+税
ミネルヴァ書房
伊藤良子 編著
2600円+税

遊戯療法は、遊びを通じた心理療法。不登校や対人関係上の問題などを抱えた子供たちへの効果的な対処に役立つ。遊戯療法の「遊び」の意味から具体的な診療の流れ、学校や児童施設などでの実践例を収載。筆者は遊戯療法を通じた子供の真剣な遊びの様子から、「遊びは生きることそのもの」と訴えている。遊びには▽夢中▽本質的な満足▽感動的で不確か――などの要素を含んだ特徴があり、それらが子供たちへの大きな治癒力をもたらすとしている。

第1章では、「遊戯療法の本質」と題して、「遊びとは何か」から「初回面接で行うこと」「アセスメント」「親子並行面接の重要性」などを解説。第2章は、「事例によって異なる『遊び』の質」として、神経症と自閉症に応じた療法とその違いを説明。第3章は、多様な場面における遊戯療法の実例を挙げる。学校の例では、施設環境や教師間の連携などを考慮した個人面接からアセスメントの流れを記している。

小学校の事例では、担任、養護教諭、特別支援学級教師などの関係者が参画するケース会議の対応を紹介。それぞれの立場から児童への困り感を共有した上で、適切な対応につなげる流れを提示。校内のプレールームにおもちゃの動物が戯れる場、五重塔やビルなどが建ち並ぶ町の箱庭を作成した例を報告。そこでの遊びを通じて、子供の人間関係や情動をコントロールする力などを読み取り治療につなげるポイントを述べる。