国語教師のための国際バカロレア入門 授業づくりの視点と実践報告

 半田淳子 編著 大修館書店 2200円+税

半田淳子 編著
大修館書店
2200円+税

グローバル化が叫ばれ、教育界でも近年よく耳にするようになった国際バカロレア(IB)は、国際バカロレア機構が提供する教育プログラムだ。基準を満たした教育課程を受ければ、世界各国の大学への入学資格が授与される。日本でも文科省が導入を推進し、IB認定校は増え、現在、一条校と各種学校を合わせ全国に46校ある。

中でも、母語に関する「言語A」(日本の教育課程では国語)の授業づくりと実践に着目する。国際的な基準というIBのイメージから、つい国語は軽視されがちのように思うかもしれないが、むしろ論理的な思考力や表現力を養う上では必要不可欠な科目である。

IBにおける国語でユニークなのは、教材となる文芸作品を「指定作家リスト」「指定翻訳作品リスト」から教師が選ぶ必要がある点だ。日本の教科書でみられるような、比較的長い作品の前半部分を省略し、物語の一部だけを抜き出すのではなく、原則として1冊の本を最初から最後まで読む。同じテーマから異なる作家の作品を比較したり、漫画や映像作品も教材に用いたりする。一つの単元にかける授業時数も日本の一般的な高校の国語に比べると多い。

しかし新学習指導要領で謳われている探究学習を踏まえれば、これが決して特殊例ではなく、むしろ国語科探究学習の一つスタイルとして捉えられる。IB認定の有無にかかわらず、今後の高校国語教育の方向性を考える上で、目指すべき授業像が示唆されている。