「ネコ型」人間の時代 直感こそAIに勝る

太田肇 著 平凡社 800円+税
太田肇 著
平凡社
800円+税

タテ社会でリーダーに従うのを善しとしてきたのが「イヌ型」人間なら、タテ社会を横目でにらみわが道を行くのは「ネコ型」人間となる。同志社大教授の著者によると、管理大好きと自由気まま大好きがイヌとネコに表象されるわけである。

著者はネコ型人間の活躍に注目し、日本社会をけん引するのは「イヌ型」から「ネコ型」の人間に取って代わったとみる。ではネコ型とはどんなタイプか。権威を尊重し、マッチョで組織に忠誠を誓い、素直で自己主張しないタイプの「真逆」である。「周りの空気を素早く読んで、仲間と共同歩調をとる」ことをしないタイプである。ネコ型人間が従来軽視されてきたのは、個人の職務があいまいでよかった「大部屋主義」に加え、自己判断を軽視する「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」と「減点主義」が日本社会にはびこっていたからである。

強制や圧力をなくして人間を「ネコ扱い」した途端に、組織の求心力が増大し、業績が飛躍的に伸びたケースは枚挙にいとまがないという。箱根大学駅伝で連覇した青山学院大はその適例だとも。ネコ型とイヌ型は対人関係においても「真逆」を示す。「深くて狭い」イヌ型に対し、ネコ型は八方美人の「広くて浅い」特徴がある。どちらがいいかは難しい。最近は、場面に応じてイヌ型とネコ型をうまく使い分けている人間が多いのではないか。ある時はイヌ型にシフトし、別のある時はネコ型にといった具合に。そう考えられなくもない。