教師のメソドロジー~社会学的に教育実践を創るために

北澤毅・間山広朗 編著 北樹出版 2100円+税
北澤毅・間山広朗 編著
北樹出版
2100円+税

執筆には教育社会学者や小学校教師などが参加。社会学的な視点を押さえた教育実践を創るための提案を記している。

例えば、小学校の教育実践では、▽小学生になるとはどのような事態か▽子供を小学生にする際の課題――などの社会学的な視点を踏まえた授業の在り方を挙げる。

事例では、教師や指導主事が、社会学的な観点を意識して授業分析を行った成果などを紹介。具体的に幼稚園から小学校への就学は、子供が社会の一員として成長するための重要な段階であることを押さえながら、入学式直後の出会いの場の在り方や子供の関わり合いを深めていくための教師とクラスメートの役割を提示する。

多様な学校種の教員と研究者がより良い連携を実現するためのヒントも盛り込まれている。

協働では、各学校種の教員や研究者がそれぞれ常識として捉えている指導観点や実践に、あえて問いを向けることを指摘。「子供が学校の学びを通じて社会の成員になる」教育社会学の知見を実践につなげていく臨床的アプローチの重要性も強調する。

多様な学校種間の教師連携や教師と研究者の相互関与の意義も示す。小1プロブレムでは、幼・小の教師で異なる指導観やカリキュラムの捉え方を前提に、共通の対話を進める必要があると提案。研究者は、共通目標を見据えた対話の土壌を作るため、社会学的な観点から各学校種の課題や実践方法を相対化する役割を果たすとする。