刑務所しか居場所がない人たち

山本譲司 著
大月書店
1500円+税

刑務所といえば、凶暴そうな男や、冷徹な知能犯、チンピラが大勢閉じ込められているイメージを持つに違いない。

しかし、実際は、世間から排除され続けた障害者が最後に行きつく「福祉施設」だと著者はみる。

2000年の秘書給与詐取事件で服役した元代議士の著者によると、自分でトイレにも行けないような人、目が見えなかったり、耳が聞こえなかったりする人がたくさん服役していたという。

服役中に培われた独自の刑務所観に基づき、びっくりする体験が紹介されている。掃除をするように言われ他の受刑者の部屋を訪ねたところ、ゴミと汚物で埋もれていた。「本人は、ぽつんとたたずんでいた。部屋にトレーやゴミ箱はあるけれど、うまく使うことができないんだね」と回想する。学校で教わらない刑務所の姿に驚かされる。