「校長講話」で学校を動かす 1年間の講話戦略と実例65

渡辺秀貴 編
教育開発研究所
2200円+税

「3分間の講話で学校が変わる!」のサブタイトルが付いた本書。朝会講話や式辞の機会を学校経営へ戦略的に生かそうとの考えをベースに、小・中学校の学校経営計画と連動した講話を提案する。では、1年間の講話や式辞をどのように組み立てればよいのか。5人の小・中学校校長がさまざまな視点から具体策を示しているのが特徴だ。

校長らが最初に心掛けなければならないのは「理想の学校像」を自ら描き、実現への構想を練ることだと述べる。独り善がりの理想は駄目で、教職員一人一人が校長に共感し、経営のビジョンを一緒に理解しながら組織的に動くことが重要だと注意を喚起する。

学校経営で欠かせない情報共有は、校長講話でも効果があるという。例えば、来週の月曜講話ではこんな話をするので、それを受けて各学年でこんなことを話題に取り上げてほしいと校長が事前に説明することで、講話効果は全校に波及する。それぞれの担任が学級の事情に応じて身近なエピソードを披露して話せば、子供は話題やテーマが一貫しているため、集中力は途切れず理解は促進される。

編者の小学校校長が講話年間計画の6月に紹介したのは、学習場面を撮影した大型写真を使って子供たちの頑張りを褒める事例。「写真を見せながら、学びの積み重ねによって確実に力がついていること」を伝えるようアドバイスする。講話に戦略と戦術があれば、3分間はただの3分間で終わらないことが分かる。