発達障害児と保護者を支える心理アセスメント 「その子のための支援」をめざして

古田直樹 著
ミネルヴァ書房
2200円+税

子供を対象にした心理アセスメントへのニーズが高まっている。発達障害が注目され、子供の抱える生きにくさに対する社会の理解が進んだことが背景にある。とはいえ、査定で得られる情報は子
供の全情報ではない。査定時の情報に限られるため、子供の可能性、発達の芽を十分考慮しているわけではない。「心理アセスメント万能論」をいさめる批判が寄せられるのは、そうした事情からだ。

本書は、子供と保護者をサポートする査定はどうあるべきかと問題提起する。著者の答えは明快だ。保護者の依頼で実施された査定の結果は、その保護者に納得できるものとして受け止められてこそ、子供の発達支援に活用されると考える。「保護者支援という観点を欠いたアセスメントは、たとえいくら優れた結果を導いていたとしても、結局はその子自身の発達支援にはつながらない」と言い切る。

保護者が最も知りたい査定結果は何なのか。「さしあたって何から行っていけば良いのかという具体策である」という。支援具体策を提示しない査定は、査定ではないという立場を取る。査定の過程で著者が最も苦心するのは、結果を保護者に伝えることだとも。保護者によって心の準備状況が違うからだ。「支援者が先走りするのではなく、来談者のレディネスをよく理解し、来談者が知りたいと思っていることに合わせて応えていくという姿勢が大切」と本書は結ぶ。他者を支援する立場にある人すべてに読んでもらいたい。