北欧式 眠くならない数学の本

クリスティン・ダール 著
三省堂
1400円+税

「三平方の定理はどうやって導き出したの」と子供に聞かれ、うまく説明できない。公式を覚えていてもそれが何を意味するのかまで理解していないからではないか。

数学的リテラシーが高い日本人の多くが数学嫌いなのは、数学が公式を覚え、問題に対してそれを当てはめ、一つの答えを導き出すという繰り返しだったからに違いない。数学嫌いが多いのは、北欧のスウェーデンでも同じようだ。世界的ロングセラーになっていることからも、同じ悩みを多くの国が抱えていることが分かる。

数学が嫌いな子も数学が好きな子も、一緒になって探究できる課題であふれている。紙を切って並べ替えてみたり、組み合わせを書き出してみたり、ひたすら問題を解き続ける訓練とは違い、ひらめきが降りてくるまでじっくり考え続ける活動だ。

次期学習指導要領を引き合いに出すまでもなく、課題に取り組む時間こそ、思考力を養い、数学的な見方・考え方を深める学習になる。何より、数学嫌いを減らせる。数学嫌いをこれ以上増やしたくないと考えている教員に、授業の中で取り入れてほしい題材ばかりだ。

一貫しているのは「数学はパターンを見つけること」という姿勢である。私たちの生活の身近に存在している模様や図形、数字、ありとあらゆるものの中には法則が隠れており、その法則を発見し、証明することこそが、数学者の仕事だ。そして、子供もまた、立派な数学者なのである。