学級愉快Ⅲ

松村二美 著
風詠社
1100円+税

卒業して数十年たった今も、たくさんの教え子たちが会いに来てくれる――すてきな学級を数多くつくってきた著者が語る、温かい教育論である。

急に転校が決まった子供に対して、学級全体で突如企画した送別会、宿題をやってこない子供に対してやってしまったことへの重くのしかかる後悔、人生で一番楽しかったといわれる合宿の思い出、などのエピソードが展開される。

第一章「出会いと別れ」、第二章「子供たちに脱帽」、第三章「優しい気持ち」、第四章「後悔していること」、第五章「小さな約束」の五部構成で、著者の豊かな経験を記す。

出会いと別れが運んだ優しさの奇跡。ひたすら子供たちを愛し、学級を愛し、全力でより良い教育を追求していく著者の姿は、私たちの熱い気持ちをかき立ててくれる。

「給食の時間の牛乳で乾杯」「自分がされてうれしかった出来事を道徳の時間に“先輩の感動話”として話す」といった、あらゆるところから生まれたアイデアも多く収載している。

昨今、いじめや学級崩壊が大きな社会問題となっている中で、本書は「こんなに素晴らしい先生と生徒、保護者との関係があったのか」と気付かされる。

教育に携わる方はもちろん、人間関係に悩んでいる方にもお薦めしたい一冊。たくさんの感動を得ることができるだろう。