リーダーシップ教育のフロンティア【実践編】

中原淳 監修、高橋俊之・舘野泰一 編著
北大路書房
2200円+税

プロジェクトを前に進めたいのに進められない。日本のあらゆる組織でリーダーシップの欠如による問題が露呈し、活力が失われている。組織の中でリーダーシップを発揮できるようなトレーニングが必要だ。それも、できるだけ早いうちから。

「リーダーシップをどう身に付けさせるのか」という視点で高校や大学の教育を捉え直そうという大きな試みである。編著者の舘野はこれからのリーダーシップを、目標達成のため他のメンバーに影響を与えるあらゆる行動で、全ての人が発揮するものと定義する。

立教大学経営学部の「リーダーシップ入門(BLO)」をはじめ、教育の事例でどんな力が身に付いているのか分析している。大学のようにリーダーシップを学ぶ授業を高校に置くことは現実的でないが、高校にはすでに、格好のプログラム――部活動が存在する。

事例として取り上げられている淑徳与野高校剣道部では「メンで一本を取るきれいな剣道」という目標を設定し、平日90分だけの限られた練習時間の中で、目標を達成するための練習を各部員が自ら考え、取り組んでいる。

新学習指導要領で重視されている「探究学習」では、生徒同士がチームで問題解決を行うPBL型の授業も増える。その授業設計や評価の視点として「リーダーシップ」は重要な位置を占めるだろう。高校段階からのリーダーシップ教育が日本の未来にもたらす可能性をみた。