授業づくりネットワークNo.30 授業記録を読もう!書こう!

ネットワーク編集委員会 編
学事出版
1600円+税

若手からベテラン教師までの授業を題材に、授業記録の意義や在り方が示されている。授業記録の意義は「教師が自身の授業を客観視しながら、リフレクション(内省)できる」点と言及。実践を自他で振り返りやすい「ストップモーション方式」の記録方法なども提案する。

1冊の教育書を2人の教師が評する章も興味深い。対象の書籍は「『学級』の歴史学」(柳治男著)「いじめの構造」(内藤朝雄著)をはじめ盛りだくさんだ。「学習に何が最も効果的か」(J・ハッティ著)には、奈良県と山形県の公立小学校教師が寄稿。同書の効果的な教育活動の分析結果に、一人は「宿題や習熟度別グループ編成などは教育効果が乏しい」と指摘し、もう一人は「(教師の)経験則に基づく教育活動の危うさに気付かされる」と見解を述べる。それぞれ異なる評から、授業探究への有意義な気付きが得られる。

NPO法人授業づくりネットワークの石川晋理事長による特別寄稿「授業記録を読むということ」では、よい授業記録が実践にもたらす影響の大きさについて述べている。「学校現場や教師の日常に基づいた実践記録書が少なくなっている」ことを危惧し、「豊かな実践記録を読みほどくことで、実践の新しい展開が見えてくる」とその有用性を教示する。都内や札幌市の小学校の事例から、教師間で共に本を読み合う勉強会や、研修の実施もアドバイスする。