せんそうを はしりぬけた 『かば』でんしゃ

間瀬なおかた 作・絵 ひさかたチャイルド 1400円+税

かおが似ているから「かば」と呼ばれた電気機関車「EF551」は、特急列車としてたくさんのお客さんの笑顔を乗せて走っていた。しかし、戦争が始まると戦地へ向かう兵隊や武器を運ぶようになる。やがて空襲が仲間の機関車や列車を壊し、燃やしていった。鉄道で働く人たちも、お客さんも大勢亡くなり、対戦国でも同じようなことが行われている。「なぜ、せんそうをはじめたの? どうしてやめないの?」

終戦から73年が過ぎ、当時を知る人が少なくなる中、多くの人々に愛された、かば電車の視点で戦争の様子が語られる。現在さいたま市の鉄道博物館に展示されているEF551の天井には、戦争中に弾丸を浴びて空いた穴が残っている。それでもお客さんを運び続けた物言わぬかば電車が、私たちに平和の尊さを訴えかける。